Webエンジニアが身につけるべきビジネススキル

更新:2016/12/30

せっかく身につけた技術です。
その武器を使って価値を生み出し、お金を稼ぐところまでいかないと甲斐がありませんよね。
また、WEB開発の世界は、他の種類のシステム開発に比べて、特にビジネススキルが求められる分野です。
理由としては、WEB開発の世界は『属人性が高いためセルフコントロールが求められる』『動向の変化が早いため情報処理能力や反射神経が求められる』『広範囲な業務要素把握やチーム連携が求められる』ということが挙げられます。

三大ビジネススキル

ハーバード大のロバート・カッツという教授は、マネージャーに求められるスキルを3つに分類しました。それは、『テクニカル・スキル(業務遂行能力)』『ヒューマン・スキル(対人関係能力)』『コンセプチュアル・スキル(概念化能力)』です。
大変参考になる考え方ですが、このサイトの趣旨とは少し違ってきます。(興味があれば調べてみてください)
今回は私の経験から作ったSE向けのビジネススキルをご説明したいと思います。

SE向けのビジネススキル分類

  • 1.行動力
  • 2.ストレスコントロール力
  • 3.コミュニケーション力

1.行動力

行動力があれば可能性が広がります。
新しい領域に飛躍する。
知らないことを人に尋ねる。
自分を売り込める。
などなど、行動力というツールはなかなか便利なものです。言い換えれば、『勇気』といったところでしょうか。
また、行動力は車のエンジンみたいなものでして、これがないとなにもはじまりません。

場数と経験

人間ははじめ、なんの経験もなく、自分の力を知りません。
例えば、アスリートが競技の練習に挑む際、目標を適宜設定して、小さな達成を重ねて高みを目指していきますね。
また、例えば棒高跳びの初心者が、いきなり世界記録級にチャレンジすることはありません。やはりできることから徐々にやっていくわけです。
場数を踏むだけでも自分の力量の基準ができるため、いざというときに勇気を持てます。
また、勇気とは『自分の力量を知るゆえの余裕』でもあります。
経験というサンプルがあるからこそ、自分の力を知ることができるのです。

どうやって行動経験を積むか

はじめは身の回りの、ちょっとしたことで構いません。
大切なのは、『一歩だけ踏み出す』ということです。
新しい勉強会に参加する。
商品のことを店員さんに聞く。
なにかの発表をする。
新しい仕事に志願する。
知らない飲み屋に飛び込む。
など、自分にあった小さなチャレンジを重ねていきましょう。
これがいつか、『ビジネスチャンスをものにする』『面接でビシッとアピールする』『大きなプロジェクトの責任者になる』などという行動力に変わっていきます。

2.ストレスコントロール力

ストレスコントロールは、負荷が自分のキャパシティを超えた場合のリスクヘッジになります。
人間、ヤケクソになれば意外と無茶はできます。
しかしそれだけだと心が休まらず、最悪、鬱病などを発症してしまいます。
(心を病んで辞めていくSEは結構います)
成長のためには行動が必要ですが、行動はまた、ストレスの元です。
以下のようなことに注意して、上手くバランスをとっていきましょう。

アラートに注意

ストレスがたまっていても、自分ではなかなか気づきにくいものです。
ストレスコントロールで重要なことは、『風船がパンパンになる前に空気圧をこまめに弱める』ことです。
以下の兆候があったらリフレッシュを心がけましょう。

  • 一日のうち半分以上イライラしている
  • いやなことを頻繁に思い出して胃が縮こまる感覚がある
  • 夜眠れない
  • なにかをしないといけない、という嫌な焦燥感がある

睡眠時間を犠牲にしない

人間は睡眠によって自身の心身をケアします。
きちんと眠れている限りは、最悪の状況にはならないはずです。
逆に、もしベッドに入っても眠れない日が続く場合は、適切な診療を受ける必要があります。

逃げる選択肢を常に想定しておく

まじめな人ほど自分の逃げ場を見失い、ストレスを蓄積させていきます。
仕事にしてもなんにしても、最終的には休んだり辞めたりすることができます。
逃げるという選択肢を残して置くことで、追い詰められずにすむようになります。

だれかに相談できるようにしておく

自分の中で抱えていると、どうしても自分を責め、なんとか正面から解決しなければ、という発想になります。
解決につながらなくてもいいので、とにかくだれかに相談できる状況を作ることが必要です。
他人に話すことで、『ストレスに形を与え、客観的に対処できる』ようになります。そこでいったん冷静になり、合理的な対策を講じられるようになります。

抱えすぎた場合はなにかを諦める

ストレスはかけ算です。
ストレスがかかることを平行してやっていると、疲れがたまる一方です。
自分のキャパシティを超えたストレスを抱えている場合は、優先度の低いものを諦めることも必要です。
人に失望されることを恐れず、大切なことだけに集中できる環境をつくってください。

3.コミュニケーション力

コミュニケーションスキルが大事、とはよく聞きますが、その実体とはなんなのでしょうか。

なんのためのコミュニケーションか

経済活動でのコミュニケーションとはつまり、『要求を受け取り、成果を提供する』という行為の間を埋める手段です。
そこで一番大切なのは『相手の求める価値を提供したい』という気持ちです。
あなたが勉強を重ねていき、どれほど有益な知識を身につけても、最終的には他者へ価値を提供できなければ、知識をお金に換えることはできません。
他者があなたにお金を支払ってくれるのは、『他者にメリットを与えた場合』となります。(従業員として働く。システムを作ってあげる。相手の求める情報を提供する。など)
また、この原則を覚えておけば、コミュニケーションスキルを自然と書籍や経験から学んでゆくことができます。

いろいろな人と会話の機会を

「コミュニケーションスキルの大切さはわかったから練習したい。面接の練習はどうしたらいい? 同僚とのコミュニケーションの練習はどうしたらいい?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
しかし、社会人としての経験が浅い方については、
『コミュニケーションスキルうんぬんのレベルではなく、単に、極端にあがらないように度胸をつける』ということを優先した方がよさそうな方が結構いらっしゃいます。
前述の『1.行動力』を読んで、できるだけ目上の人や年配の人と会話する機会を作っていけば、自信をもって話をできるようになります。

まとめ

さて、このページでは、SE向けのビジネススキルとして、行動力、ストレスコントロール力、コミュニケーション力の必要性を提案してきました。
しかしながら、これらをすべて覚えておいて、仕事モードのときだけ切り替えて使いこなすのは非常に面倒なことです。
しかし、きわめて簡単な方法があります。
それは、

行動力があり、ストレスコントロールができ、コミュニケーションの得意な人間になる

ということです。
まあ、目指すのはタダですし、それで損はしないと思います。

以下のような言葉を最後に紹介しておきます。

思考に気をつけなさい それは いつか言葉になるから
言葉に気をつけなさい それは いつか行動になるから
行動に気をつけなさい それは いつか習慣になるから
習慣に気をつけなさい それは いつか性格になるから
性格に気をつけなさい それは いつか運命になるから
(出所はガンジー、ブッダなど諸説)

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